事件の概要
自民党はサンケイ新聞紙面上で、
共産党を批判・論評する意見広告を出した。
共産党(X)は損害回復の手段として
反論分の無料掲載を求める仮処分を
申請するも却下されたため、本案訴訟を提起。
1審、2審ともにXの請求棄却。
X上告。
判決の概要
上告棄却
- 反論分掲載請求権を認める法の明文の規定は存在しない。
- 反論権の制度は名誉あるいはプライバシーの保護に資するが、新聞発行者にとっては、反論文の掲載を強制されることになり、そのため紙面を割く負担を強いられる。
- その負担が特に公的事項に関する批判的記事の掲載を躊躇させ、表現の自由を間接的に侵す危険につながるおそれも多分にある。
- したがって、反論権の制度について具体的な成分法がないのに、反論文掲載請求権をたやすく認めることはできない。
事件・判決のポイント
反論文掲載請求権を認めなかった根拠として
- 具体的な成文法がない
- 新聞社に負担を強いる
- 新聞社の公的記事の掲載に萎縮効果を生じさせる
があげられました。
関連条文
憲法第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。