法律

「サンケイ新聞事件(最高裁昭和62.4.24)」をわかりやすく解説。

事件の概要

自民党はサンケイ新聞紙面上で、

共産党を批判・論評する意見広告を出した。

共産党(X)は損害回復の手段として

反論分の無料掲載を求める仮処分を

申請するも却下されたため、本案訴訟を提起。

1審、2審ともにXの請求棄却。

X上告。

判決の概要

上告棄却

  • 反論分掲載請求権を認める法の明文の規定は存在しない。
  • 反論権の制度は名誉あるいはプライバシーの保護に資するが、新聞発行者にとっては、反論文の掲載を強制されることになり、そのため紙面を割く負担を強いられる。
  • その負担が特に公的事項に関する批判的記事の掲載を躊躇させ、表現の自由を間接的に侵す危険につながるおそれも多分にある。
  • したがって、反論権の制度について具体的な成分法がないのに、反論文掲載請求権をたやすく認めることはできない。

事件・判決のポイント

反論文掲載請求権を認めなかった根拠として

  • 具体的な成文法がない
  • 新聞社に負担を強いる
  • 新聞社の公的記事の掲載に萎縮効果を生じさせる

があげられました。

関連条文

憲法第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

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