コラム

「保育園落ちた日本死ね」ブログに隠れる”政治の本質”

世の中を動かした匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね」

2016年2月に匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね」が日本中で話題になりました。

何なんだよ日本。

一億総活躍社会じゃねーのかよ。

昨日見事に保育園落ちたわ。

どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。

子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?

匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」より抜粋

このブログは大きな反響を呼び、国会でも議論され、当時の安倍首相が答弁する事態にも発展し、連日メディアでも報道されました。

実際、このブログに共感する人がSNS上で連鎖反応したり、ネット署名で約3万人近い人が集まったりと世の中を動かすことにもなりました。

隠されている本質的なコメント

この「保育園落ちた日本死ね」と題したブログは、前述の内容以下にこう続きます。

何が少子化だよクソ。

子供産んだはいいけど希望通りに保育園に預けるのほぼ無理だからwって言ってて子供産むやつなんかいねーよ。

不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園増やせよ。

オリンピックで何百億円無駄に使ってんだよ。

エンブレムとかどうでもいいから保育園作れよ。

有名なデザイナーに払う金あるなら保育園作れよ。

どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。

ふざけんな日本。

匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」より抜粋

匿名でネット的な書き込みが続くのですが、この中で「不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園増やせよ。」という主張が出てきます。

日本国内ではあまりこういった論調(特にテレビや新聞などのメディア)にはなりません。

しかし、案外本質的な指摘かと思います。

政治家は不倫しても、賄賂をもらってもいい?!

この匿名ブログの「不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園増やせよ。」という内容について、もう少し考えてみたいと思います。

この点、マックスヴェーバーや小室直樹によって、類似の指摘がなされています。

もちろんマックスヴェーバーや小室直樹は、このブログのような言葉遣いはしませんが、例として小室直樹の著作より、一部を引用します。

金権政治と言われた田中角栄の政治道徳について、著述している著作の中で、以下のような指摘がなされています。

贈収賄は悪いに決まっている。しかし、それは畢竟、市民道徳に過ぎない。政治指導者(君主)の道徳は、これとは違う。

それは、徳(生命力の発揮。英語のvirtue)によって国民の経済生活を確保することに尽きる。政治道徳を行うためならば市民道徳を蹂躙しても良い。

「日本いまだ近代国家に非ず」小室直樹 p.173

昨今の国内の政治に関わるメディア報道とは、全く違う視点と言えるでしょう。

まとめ

結局のところ、その政治家が国民にとって、役立てば、それでいいし、そうでなければ、どんな聖人君主でもダメだ、とこういう訳なのです。

匿名ブログ内に出てくる「不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから」というのは、実は非常に本質的な指摘なのではないかと思うのです。

本当の意味で、政治家が評価できる社会にしていくために必要な前述のような視点が、これからますます必要になってくるでしょう。

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