特別権力関係理論とは?
特別の法律上の原因によって、特定の者が基本的人権を広く制限されることを正当化する理論のことです。
特別権力関係の具体例としては、「公務員の任命」「国公立学校への入学」「受刑者の収容」などがあります。
特別権力関係理論の下では、
- 法治主義が排除され、特別権力主体に包括的支配権(命令権・懲戒権)が認められる
- 国民に保障される人権を法律なく制限される
- 特別権力関係内部の行為について、司法審査が及ばない
といったことが内容となります。
特別権力関係は、従来、①国会を唯一の立法機関とし②法治主義の原則を貫き③基本的人権を尊重する憲法下では妥当しえないとされてきましたが、現在は、個別具体的にいかなる人権がどういった根拠に基づき、どの程度制約されるかを具体的に明らかにすることが重要であると解されるようになっています。