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経常収支比率とは?わかりやすく解説

経常収支比率とは?

経常収支比率とは?

地方公共団体の財政構造の弾力性を表したものです。

経常的な経費(人件費、扶助費、公債費など)に、経常的な収入(地方税、地方交付税、地方譲与税など)がどの程度充当されているかの比率を示しています。

この比率は70%〜80%の間が理想とされています。

経常収支比率=(経常的な経費)/(経常的な収入)×100

例えれば、一般家庭で言うところの「エンゲル係数」みたいなものです。

なぜ、経常収支比率が注目されるのか?

役所会計の特徴の一つに「単年度予算主義」というものがあります。

役所では会計年度(4/1〜3/31)ごとに予算編成をしなければならないというものです。

「単年度予算主義」の趣旨は、民主的な予算統制、民主的な監視の必要性などにあります。

「単年度予算主義」ということは、その年度の収入と支出で思考することになり、議論することになります。

なので、役所の財政的な議論は、収入と支出のバランスが全てと言ってもいいぐらいです。

・・・ということは・・・

収入に対して、いくらが「経常的な経費」で、いくらが「臨時的な経費」なのかということが重要になってくるのです。

「経常的な経費」割合が高ければ高いほど、新規施策や新規事業に投資する予算が少なくなり、

「経常的な経費」割合が低ければ低いほど、新規施策や新規事業に投資する予算が多くなります。

こういった観点から経常収支比率はマスコミ等で注目されやすいのです。

経常収支比率の裏話

自治体の財政担当者でないと知り得ないような情報ですが、

実はこの経常収支比率、財政担当者によって「作られている数字」なのです。

というのも、この経常収支比率を出すのは、会計年度が終わった後の決算の時です。

上記で解説したように経常的な収入のうちどれぐらいが経常的な経費になるかという比率です。

一度、経常収支比率を出して、「これは高すぎる、もっと低く!」と誰かが発声し(または忖度し)、

経常的な経費に理屈をつけて、「臨時的経費」に変えてしまい、経常収支比率を下げるのです。

理屈づけは簡単です。

「○○協会の補助金は、実質経常的な経費だけれど、今年はコロナの影響があるから、コロナの影響を受けるのは今年だけだから、臨時的経費にしてしまえ!」

ということになります。

このようにして、経常収支比率は下がるのです。

なので、例えば97、98ぐらいの経常収支比率の自治体の実態は、100を超えていると思っていいでしょう。

また、経常収支比率の発表以降に首長選挙があるときなどは、ほぼ間違いなく無茶な理屈づけで比率が下げられていることでしょう。

皆さんもマスコミの報道を鵜呑みにせずに、経常収支比率については「穿った」見方をしてみるのをおススメします。

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