移住者は何で移住先を選んでいるのか?
地域おこし協力隊制度をはじめ、全国各地のローカルでは、
移住施策に力を入れています。
中山間地域の過疎・高齢化は、激しく進んでおり、
地域を持続するために、若い力が必要ということで、
積極的に、移住・定住を目指し、人を誘致しています。
中には、
「移住者には、家賃ゼロで家を貸します。」
「移住してくると50万円の補助をします。」
などお金をかけ、移住者を集めている地域も少なくありません。
結局は、移住者も地域に愛着があるわけでなく、
条件のより良いところに流れていくという構図になっているのです。
コンパクトシティはどこにいった?
長期的に、かつ広域で地域を俯瞰した時に、
こういった移住施策そのものが、果たして行政として、
良いものかどうかは、判断が難しいところがあります。
それでなくても、財政赤字は膨大。
行政コストの削減が求められ、一定程度のコンパクトシティ
へと移行するのが望ましいと考えられています。
中山間地域のインフラ等をはじめとした行政コストは膨大で、
一人当たりにかかる費用も、都市部の何倍、何十倍にもなります。
持続する行政運営をするためには、無理矢理、移住をすすめ、
人を住まわすより、ある程度、たたんでいく地域があってもいいはずです。
自治体の見識が問われる。
いずれにしても人口は減っていき、高齢化は進みます。
今住んでいる人がその土地に愛着があり、
住みたいと思う以上、それを支援するのは、行政です。
しかし、本当にその地域に住みたいとも思っていない人
を無理矢理集め、地域を人の数だけで持続させようとするのは
、地域にとっても、管轄する自治体にとっても良くありません。
人の動きは、自然に任せつつ、自治体として、
ビジョンを描いておかないといけないのではないでしょうか。
自治体がするべき大きな仕事の一つに、持続する行政運営があります。
現在の多くの移住施策は、持続する行政運営のために必要な視点は欠けているように思えます。
その地域のみを見た、それも人の数だけに着目した、施策がほとんどです。
将来にわたる膨大な行政コストについては、誰も考えないのでしょうか。