合憲限定解釈とは?
憲法判断の際に、法律のある解釈では違憲で、別の解釈では合憲となる場合、法律の意味を合憲に限定して解釈する立場のことです。
合憲限定解釈がなされる根拠としては、以下のものがあげられます。
- 法令違憲は法的混乱を生むため可能な限り回避されるべき
- 国会が制定した法律を最大限尊重すべき
ただし、「法律の予見機能を失わせる」「裁判所に法創造機能が与えられる」といった点が問題点として指摘されています。
合憲限定解釈に関連する判例
税関検査訴訟(最大判昭59.12.12) 関税法69条の11 1項7号「風俗を害すべき書籍、図画」について ・原告は文言が広汎または不明確のため無効と主張 ・判決は「風俗」とは専ら性的風俗を意味し、規定により輸入の禁止の対象とされるのは猥褻な書籍、図画等に限られるものということができ、限定的な解釈が可能である以上、合憲 |
都教組事件(最大判昭44.4.2) 地方公務員法37条1項(争議行為等の禁止)「違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない」について ・判決は「争議行為の遂行を共謀し、そそのかし、あおる行為」をすべて処罰すると労働基本権を保障した憲法に反するが、この規定は「違法性の強い」争議行為に対する、「争議行為に随伴して行われる行為」でないあおり行為に限って処罰する趣旨として、合憲限定解釈がされたと解されている |