公定力とは?
公定力とは?
行政行為は違法であっても、取消権限のある機関によって取消されるまでは、誰もその効果を否定することはできないことをいいます。
公定力は、行政行為の効力として認められるものの一つで、最高裁判所の判例(最判昭30.12.26)で判示されています。
最判昭30.12.26 判旨:行政処分はたとえ違法でもその違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効なら占めると認める場合を除いては、適法に取り消されない限り完全にその効力を有する。 |
行政関係を安定させ、国民の信頼保護を図ることが目的としてあります。
「取消権限のある機関」とは、次のとおりです。
- 当該行政行為の取消訴訟を管轄する裁判所
- 当該行政行為をした行政庁
- 当該行政行為に係る審査庁(行政不服審査法9条)
- その他特に法律で定められた行政審判機関等
ちなみに、行政行為が無効の場合には、公定力は生じません。
公定力の根拠・目的
公定力の根拠としては、行訴法3条2項で取消訴訟が規定されていることがあげられます。
行訴法3条2項で取消訴訟が用意されている以上、訴訟段階で処分を攻撃できるのは、取消訴訟だけであって、それ以外では行政行為の効果を否定することができないとされています。
行訴法第3条(抗告訴訟) この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。 2 この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。 3〜7 略 |
公定力を認める目的としては、次のものがあげられます。
- 紛争解決手段の合理化・単純化
- 解決結果の合理性の担保
- 他制度との整合性