法律

会社法第120条をわかりやすく解説〜利益供与〜

条文

第百二十条 

株式会社は、何人に対しても、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしてはならない。

2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。

3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。

4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役として法務省令で定める者は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。

わかりやすく

株式会社は、株主の権利行使に関して、財産上の利益供与をしてはいけない。

2 株式会社が特定の株主に無償で利益供与した時は、株主の権利行使に関して、財産上の利益供与をしたものと推定する。

3 株式会社が、財産上の利益供与をした時は、供与された人は、返還しなければならない。

4 利益供与の際に、取締役が関与していれば、連帯して利益額を支払う義務を負う。

5 この義務は、株主みんなの同意がなければ免除できない。

解説

利益供与」とは、株主の権利行使に関して、会社が金銭などを供与することです。

本条文では利益供与が禁止されています。

利益供与禁止の目的は、総会屋への利益供与を禁止することで、「会社経営の健全性の確保」や「会社財産の浪費防止」にあります。

ただし、慣行上の必要性もあり、以下の点を満たせば、例外的に認められる余地があります。

  • 株主の権利行使に影響のない正当な目的に基づくもの(目的の正当性)
  • 供与額が社会通念上、許容される範囲のもの(金額の相当性)
  • 供与総額が会社財産に大きく影響を及ぼさないもの(総額の相当性)

とはいえ、基本的には利益供与は禁止です。

不健全な会社経営を助長させることにもなりますので。

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