観念的競合とは?
観念的競合とは?
刑法において、「1個の犯罪行為」で2個以上の罪名をつけることが可能な場合のことで、これを「観念的競合(かんねんてききょうごう)」といいます。
刑法54条では、「観念的競合」の場合、最も重たい刑が科せられ、一罪として扱われることが規定されています。
刑法第54条(一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理) 一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。 2 第四十九条第二項の規定は、前項の場合にも、適用する。 |
- 「一個の行為」:法的評価をはなれ構成要件的観点を捨象した自然的観察の下で、行為者の動態が社会的見解上1個のものと評価を受ける場合をいう
- 「二個以上の罪名に触れ」:法的評価において数個の構成要件に該当し、数罪が認められること
観念的競合の類型
「観念的競合」には、「異種類の観念的競合」と「同種類の観念的競合」に分類することができます。
- 「異種類の観念的競合」:1個の行為が異なる構成要件に該当する場合(1個の行為で無免許運転と酒酔い運転となる場合など)
- 「同種類の観念的競合」:1個の行為が同一の構成要件に数回該当する場合(1個の過失行為で数名を死亡させるなど)