条文
第三百二十条(伝聞証拠と証拠能力の制限)
第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
② 第二百九十一条の二の決定があつた事件の証拠については、前項の規定は、これを適用しない。
但し、検察官、被告人又は弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、この限りでない。
わかりやすく
原則は、公判期日に書面を証拠とすることはできない。
また、公判期日外に他の者から聞いたことを供述しても証拠とすることはできない。
② 簡易公判手続の決定があった事件の証拠については、前項の規定は、適用しない。
ただし、検察官、被告人、弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、適用して良い。
解説
本条1項では、伝聞法則を採用し、伝聞証拠の証拠能力を原則否定しています。
伝聞法則の趣旨は、反対尋問(憲法37条2項)等による供述内容の真実性の担保にあります。
憲法第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。 ② 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。 ③ 略 |