公共施設老朽化問題とは?
日本では高度経済成長期以降に公共施設が大量に建設されており、近年、その施設の老朽化が進み、一斉に更新時期を迎えている全国的な問題のことです。
今後の行財政運営をしていく上で、公共施設の維持管理や更新費用などが増加するため財源確保が課題となります。
公共施設老朽化に関する課題
公共施設老朽化に関する課題としては主に以下のものがあげられます。
人口減少
全国的に人口減少が進み、高齢者人口の割合が増えています。
人口減少が進むことで、公共施設に対するニーズがなくなってきているだけでなく、
生産年齢人口の割合は減少により、税収などの減少が予測されています。
老朽化
全国の公共施設は、昭和40年〜50年代にかけて建てられたものが多く、築40年以上経過した施設の割合が5割を超える自治体も多くあります。
これらの施設は老朽化が進んでおり、同時期に修繕や更新が必要になってきます。
修理・建替え費用の増大
現在の施設の数や規模をそのまま維持していこうとした場合、今後、修理や建替えに莫大な費用がかかってきます。
課題に対応した計画策定
公共施設老朽化問題に対応するため、平成26年1月に総務省よりすべての自治体に公共施設等総合管理計画の策定が要請されました。
(※公共施設等総合管理計画とは「地方公共団体が所有する全ての公共施設等を対象に、地域の実情に応じて、総合的かつ計画的に管理する計画」のことです)
ほとんどの自治体で計画は策定され、策定された計画に基づき、保有する公共施設の「複合化」「長寿命化」「減築・廃止」などが進められています。
公共施設等総合管理計画では主に以下の内容が定められています。
- 点検診断等の実施:自主点検、法定点検を確実に実施
- 維持管理・修繕・更新等の実施:「事後保全型」の維持管理から、「予防保全型」の維持管理へ転換
- 長寿命化の実施:定期的・計画的に保全工事を実施
- 施設の最適化:人口減少・少子高齢社会を踏まえ、転用、廃止、集約化、複合化などを検討
- 耐震化:防災機能などの向上
- 安全な施設管理:危険性があった場合、速やかな修繕・改修を実施