地方自治体の施策に「お見合いや婚活」支援があります。
昨今の少子化を危惧し、少しでもカップルを増やし、ゆくゆくは子どもが生まれれば、・・・と考えているのかもしれません。
しかし、そもそも「お見合いや婚活」は行政のするべきことなのでしょうか?
答えは、「ノー」なのですが、理由について説明します。
その理由ですが、本来行政のするべきことは、「法律に明記」されています。
逆に言えば、法律にないことはしなくて良いのです。
極端な話、「お見合いや婚活」はもちろん、観光や箱物建設なども特にしなくても良いことなのです。
では、なぜこういった施策をすることになってしまったのでしょうか?
この施策を考えた背景はこうです。
「少子化は地域の課題である」→「少子化を食い止めるために、成婚数を増やさなければならない」→「成婚数を増やすために、出会いの場を作らなければならない」→「お見合いや婚活」
というロジックです。
分からないではありません。
少子化は確かに社会の課題なのですが、「お見合いや婚活」を行政がしたところで、止めることはできません。
根本的な解決を図るには、男女の働き方や社会の価値観などを変える必要があります。
戦後は子どもの数は多かった訳で、女性の社会参画が進むと少子化も進んでいきました。
ただ、女性の社会参画や自己実現もあるので、それをやめろという話にはなりません。
であれば、「少子化であっても持続する社会を作らなければいけない」という話にならないといけないのではないでしょうか?
今回の例では、課題の設定は悪くないのですが、課題を解決するための案が根本的な解決につながらないことが問題なのです。
なのでおかしな結論として「お見合いや婚活」をするということになったのです。
施策を考えるポイントとしては、「法令があるか」「根本的な解決につながるか」があげられます。
この点を見落としている施策は、意外と多くあります。
気をつけて、施策立案しなければ、行政の無駄な支出が増えていくばかりです。