条文
第三百三条(先取特権の内容)
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
わかりやすく
「先取特権者」は、法律の規定に従い、債務者の財産の中から、
他の債権者よりも先に、自分の債権を支払ってもらう権利を持っている。
ということです。
解説
「先取特権」というのは、先取(さきどり)できる「特権」になります。
一般的には、「債権者は平等」なのですが、優先される特権が「先取特権」です。
具体的には、以下になります。
条文 | 種類 |
民法第306条 | 共益費用 |
〃 | 雇用関係から生じる債権 |
〃 | 葬式費用 |
〃 | 日用品の供給による費用 |
民法第311条 | 不動産の賃貸借費用 |
〃 | 旅館の宿泊料 |
〃 | 旅客・荷物の運送費 |
〃 | 動産の保存費用 |
〃 | 動産の売買代金 |
〃 | 種苗・肥料等の代金 |
〃 | 農業・工業の労賃 |
民法第325条 | 保存費用(保管・登記) |
〃 | 工事費用(設計・施工・監理) |
〃 | 売買費用 |
さらに、「先取特権」は、民法で規定されているものだけではありません。
他の法律で、「国税」「地方税」「社会保険の保険料」も「先取特権」として、定められています。
確かに、「税金」は他よりも優先されるのは、感覚的にも理解しやすいですね。
「滞納」をすれば、「差押え」の対象となり得ますので・・・。