経済は「川の水」
今なお一流学者たちから尊敬されている学者、小室直樹博士は、1998年時点で、貯蓄はたくさんあるが、不景気である日本経済について、著書の中で、以下のように例えています。
更なる問題は、今の日本経済には余りにも多くのお金があって、それが流れないことである。喩えて言えば、こういうことであろう。
川に余り水が流れなくて水不足で困り抜いている。他方、大きなダムには水があり余っている。満々と水を湛えているのに、一向に流れていかない。何とも使い道がないのだ。
もし、下流に水が流れてくれれば、水不足なんか一気に解消する。
日本人のための経済原論(小室直樹)
小室直樹博士は、一流の学者であり、一流であるが故に、本質について、わかりやすく解説することにも長けています。
ここでの例えも、小室博士ならではの非常にわかりやすいものと言えるでしょう。
ダムの水=巨額な国内資産
水不足=国内経済の不景気
経済や景気などについて、考える際に、この例えを思い出せば、本質も見えてくるかもしれません。