官僚出身が行政運営を担う
現在、国内の都道府県知事の6割は、官僚出身との報告があります。
また、地方自治を担う首長の多くも行政出身です。
とある県などは、市町村長の8割が県職員OBということです。
最良の官僚は最悪の政治家である
このことの何が問題なのでしょうか?
ドイツの政治学者であるマックス・ヴェーバーは、「最良の官僚は最悪の政治家である」と言っています。
これはどういうことかというと、政治家と官僚は根本的に必要とされる資質が違うということなのです。
政治家は、「変化する状況において決断をする」ことが仕事です。
一方、官僚は「ある状況下での権限の行使する」ことが仕事です。
官僚は、予測能力は必要とされていないのです。
官僚は、官僚として生きてきて、退職後、急に人間が変わるかと言えば、そんなことはありません。
官僚の中でも出世した優秀な人たちが自治体の首長になったとしても、あくまで官僚的な行政運営しかできないのが現状です。
他の自治体や上級機関にお伺いを立てながら、支援者に気を使いながら、恐る恐る判断をしていくのです。
彼らは「最良の官僚」だったかもしれませんが、結果「最悪の政治家」と言わざるをえません。
自治体トップに官僚出身者が多すぎるのは、とても大きな問題なのです。