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おとり捜査とは?わかりやすく解説

おとり捜査とは?

おとり捜査とは?

おとり捜査とは、捜査機関がおとりとなり、犯罪を行うように仕向け、逮捕する捜査のことです。

判例によると、

おとり捜査とは、捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働き掛け、相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕等により検挙するもの(最決平16.7.12)

とされています。

おとり捜査は、犯罪を行うように仕向けられたものではありますが、犯人が自身の意思で行動していることから任意捜査と解されます。

また、おとり捜査自体、おとりによる働きかけがあるとはいえ、犯人の自由意思による犯行であるため「強制の処分(197 Ⅰただし書)ではなく、任意処分と解されています。

類型

おとり捜査は以下のように分類されます。

  • 犯意誘発型:ある人に働きかけ、犯意を発生させて犯罪を実行させるもの
  • 機会提供型:すでに犯意をもっている人に犯行の機会を提供するもの

論点

おとり捜査の論点は、いくつかあります。

  • 強制処分か否か:強制処分(197条1項ただし書)ではなく任意処分と解されている
  • 主観説か客観説か:客観説が有力。客観説は「おとり捜査の任意処分としての適否は、必要性・緊急性及び相当性の有無で判断する見解」
  • 必要性・緊急性の有無:犯意誘発型の場合、一般的に必要性・緊急性は乏しい。機会提供型は、必要性・緊急性は高い

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