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枠配分予算制度とは?わかりやすく解説

地方自治体の予算編成プロセスにおいて、枠配分予算制度と積上方式の2通りがあります。
従来型は「積上方式」といって、財政部局が一件ずつ査定をするシステムとなっています。
昨今は、多くの自治体で「枠配分予算制度」が導入されてきています。
本記事では、枠配分予算制度の概要について、説明します。

枠配分予算制度とは?

枠配分予算制度は、財政部局が部局ごとに一定の「枠」を提示して、予算を配分し、編成していく制度のことです。
予算を「枠」で配分された各部局は、その予算枠の中でスクラップアンドビルドを行い、予算編成をしていきます。
従来型の積上方式と異なり、各部局に予算編成の裁量を委ねる制度となっています。

制度のメリット

枠配分予算制度には以下のような利点があります。

  1. 柔軟性: 担当部局が予算枠の中で予算編成をするため、地域のニーズに対応しやすくなり、柔軟な対応が可能となります。
  2. 効率性: 積上方式では、財政部局が一件ずつ査定をし、膨大な資料と時間を要しますが、それらが不要となり、効率性が高まります。
  3. 計画の実効性の向上: 長期的な視点でのプランニングが可能となり、財政部局は長期的かつ全体的な財政マネジメントが可能となり、広くは持続可能な地域発展を促すことが期待できます。

制度の課題

一方で、枠配分予算制度にはいくつかの課題も存在します。

  1. 不平等な資源配分: 部署によっては予算の配分が不均等になることがあり、適正な枠の設定自体が困難な場合があります。
  2. 財政部局の権限の低下: 予算編成の裁量をある程度部局に委ねる制度であるため、財政部局の権限が相対的に低くなります。権限を渡すことを嫌い、制度導入が進まない自治体も多々あります。

まとめ

枠配分予算制度は、積上方式(一件査定)に比べると多くのメリットがあげられますが、古い体質の組織は、いまだに導入が進まない現実があります。
それでも枠配分予算制度は、縦割り行政の限界がある中、組織上のハードルを乗り越えるきっかけにもなりますし、導入したい魅力ある制度ということができるでしょう。

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