法律

「船橋市西図書館蔵書破棄事件(最高裁平成17.7.14)」をわかりやすく解説。

事件の概要

船橋市西図書館の司書Yは、Xら(新しい歴史教科書をつくる会会員など)の著書など計107冊を、市の規定する除籍基準に該当しないにも関わらず、廃棄した。

Xらは、廃棄により、著作者としての人格的利益等を侵害されたとしてYと船橋市に対して、損害賠償請求を求めて訴えを提起した。

1審、2審ともXらの請求棄却。

Xらが上告。

判決の概要

破棄差戻し。

公立図書館の職員が、図書を不公正な取扱いで廃棄することは、著者が思想信条を公衆に伝達する利益を不当に損なうものといわなければならない。

著者の思想の自由、表現の自由を考慮すると、著者や作品に対する不公正な取扱いは、著者の人格的利益を侵害する。

国家賠償法上違法となる。

事件・判決のポイント

1審、2審では、Xらの利益は、法的に保護された利益とはいえないとしました。

それに対して、最高裁では、閲覧されていた点に着目し、合理的な理由なしに不公正な取扱いを受けない法的利益を認めました。

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