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公判前整理手続とは?わかりやすく解説

公判前整理手続とは?

第1回公判期日前に事件の争点・証拠を整理し、審理計画を策定する訴訟の準備手続のことです。

「こうはんぜんせいりてつづき」と読みます。

公判前整理手続の目的は「充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うこと(316条の3)」になります。

具体的には、第1回公判期日前に、裁判所主宰の下、当事者双方が公判で主張する予定の事実や事件の争点を明らかにし、公判で取調べる証拠を決定し、取調べの順序・方法等を定め、審理計画を策定することになります。

公判前整理手続では、主に下記の事項について整理することになります。(316条の5)

  • 争点整理に関する事項(1〜3)
  • 証拠整理に関する事項(4〜9)
  • 証拠開示に関する事項(10)
  • 審理計画の策定に関する事項(11〜12)

対象事件

公判前整理手続の対象となる裁判は、次のとおりです。

  • 裁判員裁判
  • 被告人が無罪や無実を主張している否認事件
  • 争点が多岐にわたり整理が望ましいと思われる事件

など

参考条文

刑事訴訟法第316条の2(公判前整理手続の決定と方法)
裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため必要があると認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、第一回公判期日前に、決定で、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備として、事件を公判前整理手続に付することができる。
② 前項の決定又は同項の請求を却下する決定をするには、裁判所の規則の定めるところにより、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
③ 公判前整理手続は、この款に定めるところにより、訴訟関係人を出頭させて陳述させ、又は訴訟関係人に書面を提出させる方法により、行うものとする。

第316条の3(公判前整理手続の目的)
裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うことができるよう、公判前整理手続において、十分な準備が行われるようにするとともに、できる限り早期にこれを終結させるように努めなければならない。
② 訴訟関係人は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うことができるよう、公判前整理手続において、相互に協力するとともに、その実施に関し、裁判所に進んで協力しなければならない。

第316条の5(公判前整理手続)
公判前整理手続においては、次に掲げる事項を行うことができる。
一 訴因又は罰条を明確にさせること。
二 訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許すこと。
三 公判期日においてすることを予定している主張を明らかにさせて事件の争点を整理すること。
四 証拠調べの請求をさせること。
五 前号の請求に係る証拠について、その立証趣旨、尋問事項等を明らかにさせること。
六 証拠調べの請求に関する意見(証拠書類について第三百二十六条の同意をするかどうかの意見を含む。)を確かめること。
七 証拠調べをする決定又は証拠調べの請求を却下する決定をすること。
八 証拠調べをする決定をした証拠について、その取調べの順序及び方法を定めること。
九 証拠調べに関する異議の申立てに対して決定をすること。
十 第三目の定めるところにより証拠開示に関する裁定をすること。
十一 第三百十六条の三十三第一項の規定による被告事件の手続への参加の申出に対する決定又は当該決定を取り消す決定をすること。
十二 公判期日を定め、又は変更することその他公判手続の進行上必要な事項を定めること。

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