法律

「オウム真理教解散命令事件(最高裁平成8.1.30)」をわかりやすく解説

事件の概要

平成7年3月、地下鉄サリン事件が発生。

オウム真理教による犯行がマスコミ等で大きく報道され、

信者の多くが逮捕、起訴された。

東京都及び東京地検は、裁判所にオウム真理教の解散命令を請求。

1審は請求認容。オウム真理教側が即時抗告。

2審は即時抗告を棄却。

オウム真理教側は、解散命令が憲法20条1項違反として特別抗告。

判決の概要

抗告棄却

  • 解散命令は、信者の宗教上の行為を禁止したり制限したりする法的効果を一切伴わない
  • 宗教法人の解散命令が確定したときは、その清算手続が行われ、財産の処分も行われるため、財産を用いて信者が行なっていた宗教上の行為を継続するのに何らかの支障を生ずることがあり得る
  • 解散命令制度は以下の理由から20条1項に違反しない
    1. 専ら世俗的目的によるものであって、制度目的も合理的
    2. 法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められ、宗教団体の目的を著しく逸脱したことが明らか
    3. 宗教上の行為への支障は間接的で事実上のものにとどまる
    4. 信者の精神的・宗教的側面に及ぼす影響を考慮しても必要でやむを得ない法的規制
    5. 解散命令は裁判所の司法審査によるものであり、手続きの適正も担保されている

関連条文

憲法第20条(信教の自由)

信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

事件データ・全文

事件データ

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