法律

民法第108条をわかりやすく解説〜自己契約及び双方代理〜

条文

第百八条 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

2 前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

わかりやすく

同一の法律行為について、「相手方の代理人になったり、当事者双方の代理人になったりした行為」については、代理権のない人がした行為とする。

あらかじめ了承済みの場合は、この限りではない。

また、「代理人と本人との利益が相反する行為」についても、代理権のない人がした行為とする。

この場合も、了承済みの場合は、この限りではない。

ということです。

解説

代理人としては、本人の利益を害してはいけません。

例えば、時計を売買する時に、AがBに売るとします。

AがBの代理人になってしまったら、それはいけないということです。

Aがズルをして高い値段で売ってしまう可能性があるからです。

また、CがDにテレビを売るとします。

EがCの代理人になって、さらにDの代理人にもなって、売買契約を成立させてはいけないのです。

これもEがズルをして高い値段で売買を成立させてしまうかもしれないからです。

さらには、「代理人と本人との利益が相反する行為」についても、ダメということです。

FがGの代理人になったとして、Gは冷蔵庫を10万円で売りたいと思っていたところ、Fが5000円で売ってしまったとします。

これでは、Gは納得できません。

こんなこともダメだということになります。

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