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法定地上権とは?わかりやすく解説

法定地上権とは?

法定地上権とは?

法律上、設定したものとみなされる地上権のことです。

(地上権とは、他人の土地を利用する権利のことです。)

民法388条で規定されています。

民法第388条(法定地上権)
土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。

趣旨

土地と建物はそれぞれ別であり、同一所有者であっても別々に抵当権の目的となります。

現在の日本の制度では、土地又は建物に抵当権を設定し、競売されると建物は土地の上に存在し得ないことになってしまうため、それでは社会経済上の不利益と抵当権設定当事者の意思に反することになるため、本条が設けられています。

内容

法定地上権の内容を整理すると次のようになります。

  • 成立時期→土地・建物の競売により落札者に所有権が移転する時
  • 存続期間→当事者の協議で定まる。協議で決まらない場合は、30年(借地借家法3条)
  • 地代→協議で決まらない場合は、裁判所が定める
  • 対象敷地の範囲→建物の敷地のみではなく、建物利用に必要な土地を含む
  • 対抗要件→地上権の登記又は建物の登記を具備する必要あり

要件・効果

法定地上権の成立要件は、以下の通りです。

  • 抵当権設定当時、建物が存在していること
  • 抵当権設定当時、土地と建物の所有者が同一であること
  • 抵当権実行時、土地と建物の所有者が別々の者に帰属したこと

効果は「地上権が設定されたものとみなす」ことになります。

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