コラム

GO TO キャンペーンは新型コロナウイルスが収束しても必要がない3つの理由。

GO TO キャンペーンとは何か?

7月22日から開始される予定の「Go To キャンペーン事業」とは、新型コロナウイルスの影響で経済的打撃を受けた観光業を支援する事業です。

国の補正予算の資料によると、

事業目的は、「今回の感染症の流行収束後において、甚大 な影響を受けている観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテイメ ント業などを対象とし、期間を限定した官民一体型の需要喚起キャ ンペーンを講じる。」ことにあります。

成果目標は、「新型コロナウイルスの影響を受けた地域における需要喚起と地域 の再活性化を目指す。」とあります。

新型コロナウイルスの感染拡大だけでなく、災害などがあった際に、政府はこういったキャンペーンをすることがよくあります。

新型コロナウイルスでは、観光業だけでなく、多くの職種の人が何らかの影響を受けました。また、毎年のように繰り返される災害でも、観光業だけでなく、例えば製造業なども影響を受けています。なぜ、観光業にはこういった支援策が打たれるのでしょうか?

GO TO キャンペーンが不要な理由①観光産業支援は、特定産業の保護ではないのか?

なぜ、観光産業は「GO TO キャンペーン」のように毎回支援策が打たれるのでしょうか?

観光支援する行政の理屈としては、こうです。

観光は裾野の広い産業です。また、人口減少していく地域を持続するためには、観光による交流人口が欠かせません。観光がなくなり、人の往来がなくなると地域は疲弊し、過疎が進みます。

観光により、人の往来があり、宿泊客が地域に来るとします。すると、その観光客は、その地域で宿泊するだけでなく、飲食をし、お土産を買います。飲食やお土産の購買は地域経済を活性化させます。

観光は、宿泊業者や飲食業者に直接的な経済効果があるだけでなく、地元の飲食業に食材を提供する農林水産業などにも経済効果があるため、地域へ経済波及効果があると言えます。

これが、観光支援する行政のざっくりとした理屈です。

地域の存続が危ぶまれる地域においては観光を進めた方がコスパが良いということは一理あるでしょう。

ただ、「GO TO キャンペーン」のような観光支援策がそういったものになっているかと言えば、それは違います。

特定産業である観光産業を行政が保護していると捉える事も十分に可能です。

他の産業については、他の支援策を打ち出しているという意見もあるかもしれませんが、業種を限定していない給付金や補助金の方が、公平・公正さを求められる行政の施策としては、馴染みやすいように思います。

公平・公正であるべき行政が、税金を使って、特定産業である観光産業を保護するのはなぜなのでしょうか?

これは、やはり声の大きい人に配慮しているのではないか?ということが推測されます。

商工会議所や観光協会を構成するメンバーは、ひたすら観光、観光と声高に叫びます。

自分たちの会社が儲かるには、まちの活性化、すなわち観光が必要と信じて疑わない人が多く存在します。

そうした、声の大きい方々に配慮し、無理やり理屈をつけてしている施策が、「GO TO キャンペーン」に代表される観光施策ではないかと思います。

GO TO キャンペーンが不要な理由②政府の観光支援で本当に地域は活性化するのか?

仮に、上記の理由をクリアしたとします。

観光支援は、公益性があり、公平・公正さから見ても問題なく、行政が本来するべき施策であるとしたとします。

そうだとして、果たして「GO TO キャンペーン」のような施策で地域は活性化するのでしょうか?

個人的な見解としては、このような施策は費用対効果が非常に悪い施策と感じます。

一過性のものに過ぎず、焼け石に水だったりすることが多いです。

毎回繰り返されることですが、こういったキャンペーンの効果というのは検証されることがほとんどありません。

「GO TO キャンペーン」をしたから、観光客が何人増えましたとアピールしますが、それは実態と異なります。

キャンペーンをしなかったとしても、観光客が増えたことは十分に考えられます。観光客の増減要因は一様ではありません。

また、キャンペーンのおかげで観光客が増えたとして、本当に地域に経済効果があったかどうかというのは別の話になります。一部の入館者が増えた施設などは、確かに効果があるかもしれませんが、地元の商店街や飲食店はどうでしょうか?

キャンペーンの前後、あるなしで変化のあるところばかりではありません。

十分な経済効果があるかないかも分からない、実際にあったとしても費用対効果はめちゃくちゃ悪い、という施策であれば同様の金額を地域の民間業者で分配した方がマシな気さえします。

GO TO キャンペーンが不要な理由③1兆6,794億円で特をするのは民間受託業者だけではないのか?

今回の「GO TO キャンペーン」で言えば、1兆6,794億円という膨大な税金が投入されています。

これで特をするのは誰でしょうか?

答えは明白です。

事業を受託した民間業者の数社のみです。

その民間業者数社がこの予算を総取りすることができるのです。

そこで、かなりのマージンが飛んでいきます。

地元にお金が落ちるのは、かなりの中抜きのあった後の旅行プラン等になります。

繰り返しになりますが、このキャンペーンがなかったとして、あった場合と比べ、どれ程の差があるのでしょうか?

今回の新型コロナウイルス感染症の関連で言えば、自粛が解除され、経済活動が始まるとキャンペーンなどなくても客足が戻る事業者はあるでしょう。

原則は民間の経済活動です。

事業者の経営努力で、良くも悪くもなると思います。

今回は、自粛を政府から依頼していて、影響がある事業者が多いと思います。

なので、ナンセンスな観光キャンペーンではなく、支援をするのであれば、別の方法で公平・公正な行政を全うしなければならないのではないでしょうか?

今回のキャンペーンで支援される一番は、本キャンペーンの受託業者です。

きっと大きな業者が落札するのでしょうが、その大きな業者を救うことがそんなに大事なことでしょうか?

これだけの費用をかけるのであれば、他の支援も考えられるのではないか、という気になってしまいます。

今の社会制度では、原則民間の経済活動に行政は関与するべきではないでしょう。

しかし、今回の新型コロナウイルス感染症のような非常事態が起きれば、何らかの策は行政の責任として必要にはなると思いますが、あくまで公平・公正な行政として無駄な支出はするべきではありません。

全国民に10万円ばら撒けばそれで良いという話でもないですが、弱者救済も一過性なものであれば、無意味になる可能性は高いですし、弱者救済にもなっていないのが本キャンペーンじゃないかなというのが本稿の結論です。

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